第三セクター joint public-private venture 2005 9 6
昔、国鉄が民営化される時、
100円の運賃収入を得るのに、いくら経費がかかるか。
そんな試算があったのです。
結局、地方の路線は、あまりに採算が悪く、廃線となるケースがありました。
しかし、鉄道は、住民の移動手段だったので、
廃線となっては、生活が、急に不便になってしまうので、
地方公共団体と住民が力を合わせて、
第三セクターの鉄道会社を作った地域がありました。
長年利用してきた鉄道が、廃線されるという悲劇、
その悲劇に対して、第三セクターで、
住民が、悲劇を乗り越えたというドラマがありました。
地域の住民に、こんなに迷惑をかけるならば、
「廃線にするな。不採算な路線も維持しろ」という議論がありましたが、
そういうことをすれば、民営化された国鉄は、経営が成り立ちません。
再び経営が危機となって、「国有化」される危機が発生してしまうのです。
だから、悲しいけれど、不採算な地方の路線は、
「廃線」という選択肢しかなかったのです。
「痛みのない改革」は、ありません。
そういうバラ色の改革は、存在しないのです。
こうした「痛み」を、十分説明し、納得してもらうのが、政治家の仕事です。
もし、そうした「痛み」を説明しないで、
バラ色の改革のみ語るならば、それは政治家ではなく、詐欺師です。
さて、話がそれますが、
私が好きだった「軽井沢・横川間」の路線も、廃線になりました。
正確に憶えていませんが、
このケースは、この路線が、軽井沢・横川間で、あまりに急勾配で、
その急勾配を登るには、電車の車両の前後に、
強力な機関車をつけて登る必要があり、これが、あまりに経費がかかるということで、
「廃線」となったそうです。
この路線は、四季を通じて、車窓から見る自然が美しく、
私は、わざわざ、各駅停車を利用していました。
今は、新幹線で、あっという間に通り過ぎてしまい、車窓からの自然を楽しめなくなりました。
地域の住民から見れば、都市部に住む私の「痛み」は、あまりに小さいと言われるでしょうが、
それでも、私にとっては、あまりに、さびしい思いでした。